まだ書いてなかったブログ ~Not-Yet-Written~

今日も書き忘れそうだった雑記

シャープショックの前に、分社化の目的とその効果を復習しておこう。

橋本環奈 ファースト写真集 『 Little Star -KANNA15- 』

どうなるシャープ、液晶・太陽電池は分社化??

先週の日経の飛ばし記事が発表されて以来、大手電機メーカー・シャープが倒産するか、主力事業である液晶や太陽電池事業の売却・分社化されるかも、というニュースがにぎわっています。

シャープ、国内4工場の閉鎖検討 太陽電池撤退も :日本経済新聞


前回の記事で会社のリストラ政策について書いたので、今日はその中の一つ、今、シャープが銀行から迫られている‟分社化”について掘り下げていこうと思います。

会社のリストラ11の目的と8の手段 - まだ書いてなかったブログ ~Not-Yet-Written~

分社が用いられる局面とは

分社に際しては分社の目的をはっきりと認識し、その目的通りの効果があるのかどうか、十分にその効果を上げられるのかの2点を把握しなければなりません。

特に、分社化を行った場合、一般的には管理コストが大きくなります。その管理コストの増加にも耐えるほどの効果を得なければ意味がありません。


分社を行った後は、本社が目の届かないケースが多々発生します。分社後の管理手法を確立する必要があります。 


分社を行う場合、新規設立会社の株式などの発行を行わずに既存会社そのものに資産等を移す形式の分社は、政務負担が重いこともあり利用されていません。したがって、リストラ目的とした分社は、出資や現物出資等により新規会社を設立する形で行われます。こうした分社を会社のリストラ目的として行う場合に考えられる局面及びその効果を以下に書いていきます。

1. 特定事業の展開を目指した分社

①新規事業の展開に必要な要素が、従来より営んでいた事業の目的や既存の社風などと大きく乖離している場合、これに伴うリスクを避けるために分社します。
 
この場合のリスクは、例えば安定期にある企業はコストをいかに抑えるかが経営上の重要なポイントとなり、社風も堅実経営を旨とすることとなるが、まだ商品概念すら一般的に知られていないような新規事業では、エンドユーザーへの商品の啓蒙普及活動・販売促進活動・技術開発活動等に十分な投資が必要となり、これらを同一企業内で続けると、既存の部門からみると新規事業部門資金の無駄遣いを続けているような認識となり、コスト意識が必要な既存部門の志気に悪影響を与える可能性があるなどのリスクです。


②当事業を進める特別な人材を必要とするが、従来の処遇等との兼ね合いから自社内でこれを行うと亀裂が避けたいために避けがたい場合に分社を行います。

③新規事業が既存部門と異なった給与体系を必要とする場合

④当事業者に従来とは異なった勤務体系等が必要な場合、例えば、パート等が半分を占める場合や24時間体制、または深夜交替勤務制、在宅勤務制などを採用した方が効果的である場合、分社によりこれらを円滑に行える。

⑤当該特定事業に特化することにより、社員の同事業でノウハウの蓄積等を意図する場合

⑥分社により新規事業に対する企業家精神を高揚させ、自由な発想を行わせる等の動機付けの側面

⑦新規流通ルートを開拓する場合、企業形態等の制約を受けるとき、これを回避するために行う分社

⑧新規製品の開発や販売を行い、またはそのノウハウを習得するために、必要とされるノウハウを有する他社と共同出資により新規事業会社を設立する場合

2. 組織活性化を目指した分社

企業規模の拡大とともに、意思決定経路が複雑になり経営環境の変動を見据えた機動的対応が取りづらくなります。事業部制等によりこれを回避する方法もありますが、最終的な決断は経営のトップに集中するため、この弊害を防ぐために具体的には下記の効果を狙って分社が行われます。

①意思決定の経路を短縮し、遅れを排することにより、経営環境の変動に機動的に対応ができること。

②分社した利益の最終的責任まで持たせることに伴う社員の意識や責任感の高揚効果

③人材は十分にあるが、組織の巨大化により、人材を生かす場がないような場合に、分社化することにより、人材を生かす場を提供する。

④同一業種を分社することにより、相互競争による企業体質の改善や淘汰を狙った分社

3. 事業の効率化を狙った分社

企業規模の拡大とともに、自社内の物流・不動産管理・情報処理などの業務が増大しますが、これらの業務の内容や勤務体系・管理手法等は、他の部門とかなり相違する場合が一般的です。また、これらの業務については、自社内だけでなく自社グループや第三者との取引も扱うこととした方が効率的である場合が多いことから、これらの部門の分社が行われます。

4. 合弁による事業統合を行うための分社

企業がグループ内の複数の会社で同種事業を営んでいる部門がある場合、これらの事業を水平的に又は垂直的に統合するために、いったん分社を行った後にこれらの企業を統合するために、いったん分社を行ったあとにこれらの企業を合弁させることがあります。

①グループ内事業の効率化や規模のメリットの追求

②グループ内の事業同士の競合の回避

事業戦略の統一

④ ノウハウの共有や人的資源の効率的運用

⑤ 他社と合併するために、不要部門や合併際して障害となる部門を分社

5. 事業リスク低減のための分社

すべての事業を一社で行っている場合には、事業に係る一切のリスクを負担しなければなりません。このリスクを各事業単位に完成させ、他の事業部に大きな影響を及ぼさないようにするために分社が行われることがあります。これもリスクの主な例は以下の通りです。

① 財務的リスク
分社することにより資金の調達や運用が、各事業の必要性や余裕によって弾力的に決定されること、また、負債が各事業に分割されることから、財務的なリスクが軽減されます。

② 社会的信用に関するリスク
社会信用が非常に重要で堅実安全な業務が必要とされる事業と、リスクは高いが見返りが大きいことが期待される事業を兼ねている場合には、リスクの高い事業に係る不祥事等が信用を重んずる事業に悪影響を及ぼす危険があり、分社によりこのリスクを軽減することが可能になります。

③ 人事労務管理面のリスク
分社を行っていれば、人事労務管理の影響を最小限に抑えることができます。例えば、意図的なサボタージュ等が多発する事業を分社することにより、全社的な蔓延を防止することが可能となります。また賃上げ等についても、不採算事業も含めて一律の賃上げの必要がなくなり、それぞれの企業の実情や業績に応じた賃上げが可能となり、リスク防止と弾力的な労務政策が可能となります。

6. 事業の生き残りを目指した分社

不採算事業又は将来採算が悪化する危険性の高い事業について、当事業の採算性の向上や生き残りをかけて分社を行うことがあります。
この場合の分社の意図は概ね下記の通りです。

① 分社により安価な労働力の確保を行う

② 分社し利益責任を持たせることにより、危機意識と責任感・改善への具体的行動への動機付けができる。

③ 特定事業に特化させ、専門化させることにより、事業の効率化とノウハウの蓄積を促す

7. 不採算部門の切り離しや特定事業からの撤退を目指した分社

不採算となった事業からの撤退を目的として、不採算部門を分社化し、本体の生き残りを狙う場合があります。この場合の分社の意図は、概ね以下の通りです。

① 本体の収益悪化を防止するために不採算部門を切り離す。
不採算部門を切り離すと本体だけの損益を改善される。損失を計上した場合、会社の営業面で重要な不利益を被るような場合にこのような分社が行うことがあります。

事業整理のための分社
不採算部門から撤退する場合、撤退に伴う本体への影響をできる限り緩和する目的分社が行われる場合があります。

③ 不採算部門の段階的整理のための分社
不採算事業から撤退することに伴う影響が非常に大きくなる場合、会社の信用不安や従業員の志気喪失又は営業面への大きな支障が生ずる場合があります。こういった場合、不採算部門を段階的に分社するとともに、これらの分社した会社を段階的に整理することにより事業撤退に伴う影響を緩和することができます。

④ 不採算部門を他社売却するための分社
分社は組織のリストラを行う上で上記のような局面で行われることとなりますが、分社は、間接部門等に要する費用が相対的に増加すること、また、分社することにより一元的な管理が困難となり、また自主性が尊重される反面放漫経営に流される可能性が高くなるという欠点があります。

したがって、分社を考える場合には、分社がもたらす効果(分社の目的)がこの欠点をカバーするものなのか否かを考慮するとともに、これらの欠点を補う手立てがあるはずです。

果たしてシャープの経営陣が行う選択と集中には何か意図が見えるのでしょうか。
それとも、倒産を加速させるだけなのでしょうか。。。

今後の動向に注目しておきたいですね。