まだ書いてなかったブログ ~Not-Yet-Written~

今日も書き忘れそうだった雑記

30歳を過ぎても頭がよくなる、年齢によって変わる暗記方法

Question

「思考力」に多大な影響を与える「記憶力」には「歳をとれば低下する」という通説があります。だが心配は要らない。記憶力には暗記=「知識記憶」だけでなく、物事を関連付けて考える「理論的記憶」、身体で覚える「方法記憶」などがある。そしてこれらは、むしろ歳をとってからこの記憶の容量が増える。つまり、記憶力は知識とともに低下するのではなく、得意とする記憶の種類が変わる、そうです。

状況に応じた判断力で「頭の良さ」が試される

decisions

頭脳明晰、博覧強記、ビジネスパーソンならば、誰しも頭がよくなりたいと思っていることでしょう。

そもそも「頭がよい」とはどういうことなのでしょうか。私が想像するに、世間一般的でいう頭が良いとは、「そのときの状況に応じ、素早く適切な対応ができる」ということではないでしょうか。


質問された内容に瞬時に理解して最適な返答ができる、困難に陥ったとき独自の解決法を見出して克服することができる、幾多の選択肢が与えられたときに総合的な判断に基づいて最適な水戸を選択できる、雰囲気を察して気の利いた冗談が言える、上司や取引先から理不尽な要求があっても相手の気分を害さずに自分の主張を通すことができる。。。


このように平常のルーチン作業を消化するのではなく、状況に応じた判断力が要求される局面でその人の「頭の良さ」が試されます。


こうした状況判断は、専門用語でいうと「条件反射」に分類されます。条件反射とは、一定の条件が与えられたときに、どのようなアウトプットが最適化を自発的に判断して行動するという意味です。


状況判断は、もちろん過去の「記憶」に基づいて行われます。自分がこれまでに蓄えてきた経験や知識をフル稼働させて総合的な観点からアウトプットを決定するわけです。


つまり、判断力はいかに過去の記憶を蓄えているかに依存していると言えます。つまり、頭の良し悪しは「記憶力」と関係しているわけです。もちろん、記憶力抜群イコール頭がよい、とは言えませんが、頭脳明晰であるためにはそれに応じた最低限の記憶力が必要であると言えます。この意味で、記憶力は鍛えておくことは決して無駄ではありません。


以下では、私の研究分野でもある記憶と脳の関係について詳しく述べていきたいと思います。そもそも記憶とは何か、どうしたら記憶力を伸ばすことができるのか、そんなことを考えてみたいと思います。

歳をとると記憶力が低下するのは迷信

Gameboy

初めにはっきりさせておかなければならないことは事実です。年齢と記憶力の関係です。「最近、物忘れが激しくて・・・」「もう若い頃のように覚えられなくて・・・」などという愚痴っぽくなってしまってはいないでしょうか。


「歳をとれば記憶力は低下する」、、、最近の脳科学によれば、これは単なる送信に過ぎないことが分かっています。実は、脳は使い方次第で、年齢とは無関係にいくらでも鍛えることができるのです。


まず心に留めていただきたいことは、子供と大人では、それまでの人生の蓄積してきた記憶力が異なるという点です。10個の記憶から目的の1つの記憶を探し出すのと、1000個の記憶から検索するのでは、労力が異なって当然でしょう。


大人のほうが多くの記憶が脳に詰まっているのですから、正解に辿り着くまでに多少苦労しても仕方ないのです。これは大容量になった脳が抱える宿命です。と同時に、子供と大人の記憶力の決定的な違いは、「情熱の強さ」と「復習の回数」にあります。


アニメやゲームの登場人物などを全部丸暗記してしまう記憶力を羨ましく感じる人は、子供がどれほど情熱と興味を持って対象に接しているかをよく見てみよう。歳を取ると人は情熱や執着心が薄れ、物事に熱中できなくなる傾向があるようです。


生きることに慣れてしまっても感動も少なくなります。これでは、見かけ上、記憶力が減弱しても不思議ではありません。


習い事でも同じことが言えます。勉強そのものが生活の大半を占める学生時代でさえ、1つの物事を習得するのに、かなりの時間と労力を必要としたはずです。過去に苦労してきた経験を忘れ、能力の老化を漫然と嘆くのはいかがなものでしょうか。努力不足だと烙印を押されても仕方がないかもしれません。


また、子供をよく観察していると、案外、彼らも頻繁に物忘れしていることに気づくでしょう。置き忘れ、度忘れ。これは大人の脳だけに起こるものではありません。にもかかわらず、大人になると物忘れが増えたように感じるのは、「歳を取ると記憶力が低下する」という社会的通念があるからだと思います。


子供は物忘れをしても、いちいち気にしません。一方の大人は物忘れをすると、「歳のせいだ」と思い込みます。いや、歳のせいにして逃げる人もいるかもしれません。年齢と記憶にはそれほど強い関係はありません。


マイナス方向に自己暗示をかけてしまう行為は、正常な記憶力の妨げになりますので、もし皆さんがこれまでに誤解したとしたら、ここで改めてください。これが一つ目の注意点です。

二つ目は、記憶力を鍛えるためには、まず脳の記憶の仕組みについて知らなければならないということです。脳には脳なりの能率的な学習方法があります。

脳の仕組みを理解すれば、答えは自然と見えてきます。がむしゃらに学習するのは決して脳によいことではありません。この観点から、ここでは以下にまず記憶の仕組みを具体的に見てみることにしましょう。

記憶を作る司令塔「海馬」の神経細胞は使うほど増える

Brain

記憶を語るうえで欠かせないのは脳内にある「海馬」と呼ばれる部分です。いきなり専門用語が出てきて戸惑う人もいるかもしれませんが、記憶力を鍛えたい人は、まず、名前を憶えてください。海馬。


海馬は、直径1cm、長さ7cmくらいの曲がった細長いキュウリのような形をしていて、脳の奥深くに存在しています。


海馬は記憶の司令塔です。海馬に含まれる神経細胞が脳の中で記憶を作り出しています。目、耳、鼻、手、舌などから入る様々な情報は、海馬に到達して、そこで統合されます。何を見、何を聞いて、何を感じたかという材料が、海馬で関連付けられて記憶が作られるのです。作られた記憶はその後、海馬から取り出されて、「大脳皮質」と呼ばれる場所に長期にわたって保存されます。

つまり、海馬はどの情報を記憶し、どの情報を破棄するかを判断する場所なのです。いってみれば、何を記憶すべきかを取捨選択する「情報のふるい」の役割を担っているわけです。ということは、記憶力を鍛えるためには、海馬を鍛える必要があるのです。


最近の脳科学の研究から、脳を鍛えると海馬の神経細胞の数が増えることが分かりました。これまでの常識では「神経細胞の数は年を摂るにつれて減る一方で増えることはない」とされていたので、海馬の神経細胞が増えるということは驚くべき真実です。そして、もちろん海馬の神経細胞が増えれば、記憶力が増強すると期待されます。


海馬の神経細胞を増やす最も効果的な方法は、海馬をよく使うことです。つまり、積極的に周囲の環境にアンテナを巡らせ、なるべく多くの情報を海馬に送ってやることなのです。


何事にも興味を持つことが重要な第1ステップです。子供たちがアニメやゲームのキャラクターなどをすぐに記憶できるのは、その対象に強い興味を持っているからにほかなりません。興味を持っているとシータ波と呼ばれる脳波が海馬らか発せられます。このシータ波によって神経細胞が活性化されるのです。


同じことを知ったとしても、「ふーん、そうなの」と冷めた感情でいるよりも、「うんうん、なるほど、それで次にどうなるんだ?」と積極的な姿勢でいる方が、シータ波が強く発生します。歳を取ると、しばしば物事に対する情熱が薄れてきます。

1つのことに熱中できなくなります。感情も薄くなってきます。すると、記憶力はてきめんに低下します。実は、歳をとって記憶力が落ちたように錯覚してしまう最大の原因はここにあるのです。


また、休日何もしていないでゴロゴロ家で寝て過ごしてしまう人は、本人は脳を休めてしまっているつもりなのかもしれませんが、それはみずから甘んじて記憶力を低下させているのに過ぎないのです。筋肉と同じように、脳もまた鍛えれば鍛えるほど、より使えるようになるのです。海馬の神経細胞を増やす効果は、努力を続ければ1週間ほどで表れ始めます。

記憶には効率のいい復習と8時間睡眠の効果が大きい

sleeping worker

脳の記憶は「神経回路」に蓄えられます。回路に含まれる神経細胞同士の接点を「シプナス」と呼びますが、最近の脳科学の進歩によって、記憶の実体は「シプナス」結合の強さの増強が明らかになりました。


つまり、ミクロな視点で見れば、神経細胞同士が強く結びつくことが「記憶」だというわけです。

人や動物の実験から、海馬の神経細胞を繰り返し刺激すると、シプナスの結びつきが強くなることが証明されています。要するに、記憶とは繰り返し海馬を刺激することで作られるわけです。

しかも、シータ波のリズムで刺激すると、より効果的にシプナスが強化されることが分かりました。シータ波は脳がその対象に興味を示していることの印ですから、そもそもシプナス自体が、興味の強弱に応じて記憶をしていることが分かります。しかも繰り返し刺激されることがシプナスの強化には必須なのです。

したがって、私たちも何かを覚えたいと思ったら、興味を持って何度も繰り返し学習する必要があります。いわゆる復習です。海馬の神経細胞自体が繰り返しの刺激によって記憶するのですから、復讐は絶対にはずせない鉄則と言ってよいでしょう。こればかりは仕方ありません。


さて、ここで気になるのは「復習をどのくらいの頻度でどのくらいの回数しなければならないのか」という問題です。この答えも海馬の役割を考えてみれば自然と分かります。


海馬は脳に入ってきた情報を取捨選択して記憶を作っています。つまり、海馬が「これは必要だ」と判断したら、それは記憶となって脳に保存されるし、逆にそうでもない場合んいは、忘却されてしまいます。


海馬が情報をふるいにかける吟味期間は長くて1カ月が勝負なのです。この間に復讐することで海馬にその重要性を知らせることができます。1カ月以上の期間をあけて復習しても、十分な効果は望めないでしょう。

脳科学から見た効率のよい復習スケジュールは、学習した翌日、翌週、2週間後、さらにその4週間後という全部で4回の復讐を徐々に感覚を空けながら行うことです。復讐は毎日やみくもにやる必要はありません。無駄に復讐するくらいなら、その時間を他の学習に充てたほうが賢明でしょう。


ところで脳の記憶にとって重要なのは復習だけではありません。以外に思われるかもしれませんが、睡眠もまた学習の一部分なのです。最近の脳科学によれば、寝ているときには脳内で身の回り生じたできごとが再現されていることが分かりました。


夢は記憶の脳内再生の良い例です。睡眠中に保管すべき情報を整えているわけです。もちろん情報の再生は昼間でも行われているのですが、外部情報がシャットアウトされた「睡眠」という状態は、情報の整理に集中できる絶好の時間帯となります。


最近の実験の結果から、記憶力の上達のためには1日6時間の睡眠時間が必要であることが分かっています。さらに、睡眠が持つ独特のリズムの関係から8時間眠った場合が最も効果が著しいことも報告されています。


どんなに忙しくても最低限の睡眠を削ってしまっては記憶力の増大の効果は望めません。まして徹夜をして頑張るなどということは、長い目で見るとかえって仕事や勉強の効率を下げることになるのです。

子供は「知識記憶」、大人は「理論的記憶」が得意

Day 32

脳を詳しく勉強してみると、一般医神経細胞の数は歳とともに減ってきますが、シプナスの数はむしろ反対に増えていくことが分かります。


つまり、神経回路は年齢を重ねるにしたがって密度が濃くなっていくのです。この事実は、若い頃よりも歳をとったほうが記憶の容量が大きくなることを意味しています。それなのに人は「歳のせいで覚えが悪い」と嘆きます。既に述べてきたように、この嘆きは大変な間違いで、私から見れば、そういう人は単なる努力部そうであるように思います。物を覚えるのは若かりし学生時代でも決して楽な行為ではなかったことを忘れてはいけません。

しかし、歳をとっても記憶力が全く変わらないのかというと、実は、そういうわけではありません。記憶には、様々な種類があって、年齢とともに得意とする記憶の種類が変わっていくのです。小・中学生の頃までは、試験前の一夜漬けに代表されるような知識の丸暗記を得意とします。


しかし、高校生くらいから大人にかけて、神経回路が精密になってくると、むしろ物事を関連付けることが得意になります。つまり、理論的な記憶が得意になってくるのです。したがって、「記憶は加齢とともに低下する」のではなく、「記憶の種類が変わる」というわけです。これは重要なポイントです。

「若いときのように覚えられない」と嘆いている人は、自分の勉強スタイルを思い返してみてください。若い頃に培った記憶方法をいまだに引きずってはいませんか。丸暗記型の記憶法を貫くことは脳の整理に逆らっています。


覚えられなくて当然です。何かを学ぼうとするときはまず「現在の年齢の自分が得意としている記憶の種類は何か」を認識することが重要です。

大人の脳に効果的な練習法「人に説明してみる」

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ところで、若い頃に得意な丸暗記法で得た知識は、覚えた範囲の限られた分野にしか役立ちませんが、大人のように論理や理屈を覚えると、その論理が根底にあるすべてのことに活用できます。論理はいろいろなと応用できます。


つまり、同じ記憶の量でも理論的記憶のほうが高い有用性を発揮するわけで、この意味で、理論的な記憶を得意とする大人のほうが総合的に見れば、「記憶力がよい」といっても過言ではないでしょう。「30歳を過ぎてから頭はよくなる」というのは、その意味においてです。


科学的な視点から大人の記憶の性質を考えたとき、学習したことを脳に長くとどめるためには「他人に説明してみる」ことが効果的です。大人の脳は経験に即したことをよく覚えていられるのです。


他人に説明することで単なる知識が自分の経験に代わり、記憶されやすくなります。そして何よりも説明することは復習効果をもたらします。しかも、説明するときには声を出すため、より多くの感覚情報が再び海馬を強く刺激することになります。

説明することの利点はそれだけではありません。自分がしっかり理解していなければ人に説明することはできませんから、人に説明してみることで、自分が理解したかどうかを確認できるのです。


脳は理解していないことはうまく覚えられません。理解していない物は役に立ちません。役に立たないことは記憶するだけ無駄です。脳は無意味なことに余分なエネルギーを使わない合理性を備えているのです。


ですから、人に説明できるくらいしっかりと理解することが大切なのです。できれば説明する相手は、その物事に通じていない素人の方を選ばれるのが良いでしょう。

他の分野の仕事にも活かせる「方法記憶」

Presentation

これまで記憶には2種類あることを説明してきました。若い頃には得意な「知識記憶」と大人が得意な「理論的記憶」です。しかし、これ以外にも1つの重要な種類の記憶が脳にはあります。


例えば、自転車の乗り方や、服の着方などの記憶です。物事の「手順」や「やり方」-いわゆるコツとかノウハウのようなものが脳の記憶だと言われていても、ピンとこないいともいるかもしれません。生まれたばかりの赤ん坊は、自転車に乗ることができないことを思い出し下さい。

それは、生まれた後で習得したものです。つまり、乗る方法を記憶したというわけです。こうした記憶は「方法記憶」と呼ばれています。

知識記憶や理論的記憶は「頭」で覚える記憶、方法記憶は「身体」で覚える記憶だと言えば、分かりやすいでしょうか。もちろん実施には身体が覚えているのではなく、脳が記憶していることはいうまでもありません。


方法記憶の際立った特徴は、その覚え方にあります。

知識や理論は教科書や教師から習うことができますが、方法記憶は、言葉で説明しにくい、もしくは、言葉では説明のできない抽象的な記憶です。たとえば、実用書や教本などでスキーの滑り方を勉強しても、実際にやってみなければ、滑れるようになりません。方法記憶とは、実践によって身につくものです。


また、忘れにくく根強いというのも、方法記憶の特徴です。たとえば、自転車の乗り方やトランプゲームのルールなどは、長年やっていなくても、必要なときに自然と思い出すことができるでしょう。


逆に、自己流でスポーツをやってしまうと、そのあとで正しいフォームに修正しようとしても、なかなか癖が治らないといった不具合も起こるくらい記憶が強固です。


こうした強固な記憶である「方法記憶」をうまく利用すれば、仕事のうえで味方になってくれることでしょう。実際、方法記憶はとても奥深いものです。私は「魔法の記憶」と呼んでいます。


たとえば、ある分野の仕事を極めることができると、他の分野の仕事にもスムーズに慣れ、うまくこなせることがあります。「学習の転移」と呼ばれる効果ですが、これは方法記憶による仕事の関連付け作用の結果なのです。

どんな分野の仕事でもそれを習得するためには、「仕事の内容」以外に、仕事を「理解する方法」を記録する必要があります。

理解の方法、つまり、これは方法記憶です。ある分野を習得するということは、その分野の知識や理論だけではなく、方法記憶もまた習得しているのです。そして、この方法記憶があるからこそ、ほかの分野の理解を深めることができるのです。


たとえば、野球をマスターした人は、野球のルールや投球フォームなどを習得しているので、類似したスポーツであるソフトボールが楽に習得できるようになるというわけです。

勉強量と成績の関係は、幾何算的なカーブで上昇する

Money Graph

もう少し論理的に考えてみましょう。たとえば、いま皆さんがAという物事を覚えたとしましょう。このとき同時に、Aという分野の「理解の仕方」も、皆さんの腕に保存されます。


次に新たにBを覚えようとしたときには、先のAの方法記憶が、無意識のうちBの理解を補助して、より簡単にBを習得できるようになります。学習の転移です。もちろん、このとき同時にBの方法記憶もまた記憶されます。


しかし、このときの脳で起こる現象は、それだけなのでしょうか。そんなことはありません。実は、あとから覚えたほうのBの方法記憶が、すでに習得しているAの理解をさらに深めてくれるのです。

つまり、AとBの2つの物事を覚えると、「A」「B」「Aから見たB」「Bから見たA」というように4つの効果が生まれるのです。2の2乗です。


こうして新しい物事を次々に覚えていくと、記憶への効果は等比級数的に増えていくことが分かります。実際に一般的に学習の転移には「べき乗の効果」があることが知られています。「べき乗」とは、たとえば2のべき乗なら、2乗=2×2、3乗=2×2×2、4乗=2×2×2×2・・・、と増えていくことを意味します。


つまり、勉強量と成績の関係は、単純な比例関係ではなく、むしろ幾何算的な急カーブを描いて上昇するというわけです。学習した事項1つ、2つ、3つ・・・、と増えるとすると、成績は1、2、4、8、16、32・・・のように伸びるのです。


たとえば、皆さんはいま成績が1のスタート地点にいるとします。そして、勉強の目標成績を1000に定めるとしましょう。これから猛勉強をしていきます。まず勉強してレベルアップすると成績が2になります。さらに猛勉強を続けて、もう1ランク上がると、成績は4になります。こうして、努力を続けていくと、8、16、32と累積的な効果が表れてきます。


しかし、ふと振り返ってみると、こんなに努力したのにもかかわらず、現在の成績は、いまだにたった32でしかありません。目標の1000に比べれば、スタートの成績からほとんど上昇していないのに等しい成績です。


恐らく、皆さんの多くは、この時点で「なぜこんなに猛勉強をしても成績が上がらないのか」神経んに悩んでしまうことでしょう。

そして1000の成績を上げている周囲の人を見れば「とてもかなわない。ああいう人を天才と言うんだ」と思うはずです。多くの人はこの時点で、自分の能力不足に落胆して、勉強を放棄してしまうのです。


しかし、天才的な人と自分に差があるのは自分に能力がないからではありません。


なぜなら、忍耐強く勉強を繰り返せば、その後、成績は64、128、256、512、1024と爆発するように上昇していくからです。血の滲むような努力を続けて、勉強の効果が目に見えるようになるのは、じつはここまで来てからです。

これが勉強と成績の関係の本質です。残念ながら、努力の成果はすぐには表れませんが、しかし、努力はあるときになって突然爆発するのかように高まるのです。


目の前の霧が急に晴れたように視界が開けて、「ああ!分かった!」と感じる瞬間を皆さんも味わったことがあるんでしょう。ある種の「悟り」に似た心境でしょうか。こうした現象はまさに勉強と成果の関係がべき乗の関係にあることを物語っています。なかなか結果が表れないからといって、すぐに諦めてはいけません。


もちろん、周囲の天才たちを見つけて落ち込む必要もあります。他人と自分の能力を単純比較することは無意味です。努力と成果は比例関係にあるのではなく、等比級数の関係にあるのですから、自分は自分、天才的な人と自分との間にいまは差があっても、努力を続けていれば、必ず成果が表れます。あるとき急成長を示すのが脳の性質なのです。

脳は努力に見合った成果で応じてくれる

記憶の性質、そして、記憶力を鍛えるためにどうしたらよいかを考えてきました。そのためには、まず脳の機能をしっかりと理解して、それに沿った能率的な方法を選択することが重要であることが分かりました。

年齢に見合った記憶法、そして復習のタイミングはとりわけ重要なポイントとなります。

様々な科学的証拠が目前に示されつつあるいま、「私は記憶力が悪いから」「もう歳だから」などという言い訳は許されなくなってきました。自分の「記憶力の悪さ」を嘆く暇があったら、その時間を脳の鍛錬に充てた方が賢明かもしれません。

努力を続ける限り、脳はそれに見合った成果で応じてくれるのですから、今という時間を無題にはできません。

「人間は負けたら終わりなのではない。諦めたら終わりなのです。」と米国の元大統領リチャード・ニクソン氏の言葉です。脳という自分だけの所有物をどう使うかは本人次第です。